2017年1月14日土曜日

cannondale CAAD12Disc(2016)納車しました


9月末、そろそろ自転車新しいの欲しいなと思っていたところに突如CAAD12を格安で譲ってもらえる話が舞い込み、悩みに悩んだ末にディスクロードを納車したお話。

ディスクロードに悩む人の参考になればと思いこのエントリを書きますが、
結論をいうと、
  • 雨の中峠を登って下ってやらなくちゃいけないようなレース、ようするにブルベでもやらない限りはディスクブレーキは過剰装備。ブルベをやる人には良い機材となるはず。
  • 予算15~20万程度の予算少なめな初心者が初めて買うなら、キャリパーブレーキの完成車を買って、ディスクにしないおかげで浮いたお金でデュラエースブレーキにしたり、ホイール変えたりした方がいい。油圧ディスクという選択は費用対効果を考えるとオススメできない選択。
  • ディスクローターに魅せられたメカフェチにだけはオススメ。見た目に惚れたなら買うべき。せっかく趣味で自転車に高い金放り込むのだから、盆栽にしても楽しめる自転車にしよう。
といった感じです。
シビアにコストパフォーマンスとか、費用対効果とか考えるならディスクなんか辞めておいたほうがよくて、見た目に惚れて狂ってしまった人かランドヌールにしかオススメできません。


□経緯
自転車店勤務の兄に、そろそろ新しい自転車がほしいと相談する
元々乗っていたのも、フレームはエントリーだけど、コンポは105、ブレーキのみデュラ、と悪くない構成だったけど、流石に6年間輪行しまくってガタガタなので替え時を感じていた。あと一回事故ってた。
・ホリゾンタルフレーム
・青系のカラー
・10-20万の価格内で、コンポが105以上のもの
・メーカーは特に問わない
この条件で安く買えそうなのないか、と聞いてみたら、CAAD12があるぞという。
写真送ってもらうと、カラーリングもめちゃくちゃ好みでこれは即決じゃねぇか!とおもっていたのに、ホイールになにか円形の輪がついている…ディスクブレーキじゃねぇか!

この後、めちゃくちゃホイールの互換性、油圧ディスク/メカニカルディスク、メンテナンス性、輪行のリスクなどなど色々調べたけど、価格とディスクローターの見た目に魅せられそのままお迎えすることに。

□ディスクロード 購入後インプレ
購入にあたって、まずこちらのブログがとても参考になった。なにせちょうどCAAD12Diskを乗られていたので、これほど参考になるものはない(そして、ブログ中の写真を見てやっぱりカッケェなぁと思って買ってしまった)
というか、Web上探し回っても個人でCAAD12のインプレされてるのがこちらしか見つからなくて…


現在、ディスクロードといっても規格が乱立していて仕様が散らかっている状況にあります。
下記、3つの要素について複数の規格があり、組み合わせが多岐にわたってホイールメーカーも困ってるように見えます。
ホイール固定方法:スルーアクスル/クイックリリース
ディスクローター固定方法:センターロック/6ボルト
ブレーキ駆動方法:機械式(メカニカルタイプ)/油圧式(ハイドロ―リックタイプ)

このCAAD12は、クイックリリース、6ボルト仕様のホイール用で、油圧式のディスクロードです。
なので、スルーアクスルだとのりごこちが悪いかどうか、みたいな話についてはわかりません。自分で乗ってて、世間で言われてるほど悪くない/良くないと思ったことについてアレコレ言ってみます。

■ディスク車の輪行は面倒か?
よく言われるように思うけど、実際に自分で10回程度輪行してみたところ、全く問題ないです。
問題視されるのが輪行中の何らかのトラブルで、ディスクローターの湾曲によってまともに走行できなくなってしまうのではないか?というもの。実際のところはそんなことは基本的にないです。
輪行袋を倒してしまったら、なんかしらのトラブルがあるかもだけど、基本的には問題ない。
輪行時は、前輪はディスクローターが外側に。後輪もディスクローターを外側にし、スプロケが内側に来るので(フレームバッグがついてないときは)スプロケカバーをつけて傷防止措置。あとは油圧キャリパーのピストンの間にスペーサーを挟む。あとはいつもの通り輪行するだけです。
基本的にスプロケカバーとスペーサのぶん荷物が増えるだけで他のことは変わらない。
持ち歩く際に、腿にディスクローターが当たってしまうことがあるので、持ち歩き方だけは気遣う必要はあるかも。

■実際ブレーキ制動性はいいのか
元々デュラエースのブレーキを使っていたので、正直ディスクブレーキ車に変えてもそこまで爆発的に制動性が上がった実感はないです。
でも、たしかにレバーを引く力は従来よりもかなり少なく済みます。指二本で、下ハン握らなくてもヤビツを普通に下れるくらい。
ブラケット握ったままでもかなり効く。ブラケット握って強めに指二本でトリガー引くと容易にロックするので、力加減に慣れが必要なくらい。かなりパワフルに効きます。
制動力が高い、というよりは少ない力でもよく効くという印象です。

■雨天時の制動性
これはまだ試せてないのでなんとも言えないところ。
聞くところによると、ブレーキシステムが変わっても雨天時のタイヤと路面のグリップ力の低下は同じだから、ディスクブレーキでもそこまで効くわけでもないらしいけど…
ただ、制動性以上にブレーキシューが溶けないから掃除がラク、というのが個人的には嬉しいところ。
雨の中走ってきて、ウェスでバーっと泥汚れと水気拭き取ればメンテ終わりってなるのは嬉しい。もうあのホイールにまとわりつく黒くて、よく伸びる汚れと戦わなくて良いんだ。これが本当に助かる。

■ホイールについて
現在、完成車に付いてきたのが余りにも重かったので、フルクラムRacing5 DBに買い替えた。これが値段の割に重くて、割に合わない感じが強い。ストッピングパワーに耐えられるようにスポーク数を増しているから仕方ないけど、もうちょっとどうにかならないのかと思う重量。

自分のお財布事情で手の届く範囲の前後セットの重量を比較すると
通常仕様のカンパニョーロZONDA 1550g 35000~40000円

それに対して、
フルクラム Racing5 DB 1715g 30000円
MAVIC キシリウム Disk 1850g 33000円
MAVIC キシリウム Diskpro 1535g 80000円
上記重量はディスクローターを除いた重量なので、実際は+200~300gはされることになるので、やはり重い。
普段ABUSのチェーンロックを使っているから、個人的には重量とかどうでもいいと思っているけど、気になる人は気になりそう。体脂肪率1ケタまで絞らなければ、ホイール外周部以外の重量なんてアマチュアには関係ないとも思うんですけどね。やっぱりいい感じな機材を使って、いい気持ちになりたいんですよね、道楽でやってるからこそ。

そしてホイールの選択肢の数も現在のところ微妙。
ようやくZONDA Discも出てきたけど、それ以上のヒルクライムレースに出るような人が使いたがる機材はそこまでないので、競技志向の人はまだ様子見でいいと思う。
今年、来年でグランツールで使われるなかでいろいろ出てくるはずなので、それからの展開に期待。

■STIについて



油圧用のSTI、これが従来のSTIと違う形状をしていて癖があります。
ブラケットの中にオイルタンク組み込んであるために従来のメカニカル用のSTIよりも大型化しており、太く、ハンドルからブレーキレバーまでも遠くなっています。
指が三本通せるくらいに離れている。
Di2のSTI使っていた人や、手の小さい人、指の短い人にはちょっと扱いづらいSTIかもしれません。
油圧にする上での最大のネックはこのSTIにあると思います。このSTIがイマイチ合わなければサクッと諦めてメカニカルのディスクに絞って完成車を選んだほうがいいです。
油圧と違って、メカニカルの方が自分でメンテナンスもできるし、トラブってもなんとか対処できる等など、油圧よりも多少制動性が劣りますが、利点もあります。
たまに油圧ディスクは握力がなくてもブレーキが効くから女性向き!みたいな自転車雑誌をみますが、あれは嘘でしょと思います。一般的な女性の掌ではこのSTIちゃんと握れないでしょう。


とりとめもなく書きなぐりましたが、ディスクロード購入に悩む人の参考になれば。