2016年5月17日火曜日

草津-渋峠-渋温泉ツーリングと地獄谷野猿公苑

ゴールデンウィークは由布院から熊本までやまなみハイウェイ走ろうと思ってたのに例の通り震災で予定総崩れになってしまったりと、いろいろ計画段階で紆余曲折あったけど、とりあえず今年もいきやすい渋峠に行こう。

昨年の四国カルストツーリング同様、おくやす氏と予定を合わせて行くことに。
渋峠はいつも一人だったから、誰かと行くのは楽しみだ。

■4/29金

先日夜、高崎まで輪行で移動。
そして大いなる矛盾。



ホテルにておくやすと合流。
前日まで宿はおろか計画も曖昧だったので、滑り込みで取ったら男二人でダブルベッドとなってしまった。ご旅行は計画的に。



晩飯から戻ってきて、明日の天気を調べているとなにやら今日は渋峠で季節外れの吹雪で積雪18cmだったとのこと。
今日の草津が雪予報なのは知ってたけど積もるほど降るなんて。
Twitterで検索かけると、明日渋峠発のフレッシュの人が渋峠ホテルから積雪情報をツイートしていたのでそれを見て絶句。これ真冬の景色か!

不安は募るばかりだけどとにかく明日起きて、長野原草津口駅についてから考えようということで決着。
寝る!(ただし男二人でダブルベッド)

■4/30土
早朝に起きて始発の吾妻線に乗る。
流石にこの時間だと輪行袋のっている人は見当たらなかった。まぁ天気ももちろんあるんだろうけど。

移動中に引き続き天気情報と交通情報を見てみるも、やはり降雪のため国道292の青葉山リフトから万座ハイウェイの分岐のあいだで通行止めとのこと。
でも天気もいいしもうちょい待てば晴れるのでは?
とりあえず長野原草津口から草津まで走ってみて様子見することに。


@8:00 長野原草津口着
輪行解いて組立てる。
そして到着して早々に気づいたけど寒い。めっちゃ寒い。
下を夏用レーパンできてしまったのは完全にミスだった。
上は秋用長袖ジャージとネックウォーマー持ってきてたのに下はなんでそんなのできちゃったの。

荷物を整え終えたらいざ渋峠へ。行けるのかどうかはわからないけど。
―――が10分後、群馬大津の十字路を越えたちょっと先の電光掲示に国道292通行止めの表記が。無慈悲!

まぁダメならダメで湯畑みて引き返そうってことで登ることに。


さ、寒い・・・




登りでゆるゆると登っている間におくやすには先に青葉山リフト乗り場まで行ってもらって様子見してもらうことに。
とりあえずせっかくなので湯畑まできて休憩。
脚が寒すぎるので足湯でも入ろうか悩んでいると放送が、
「通行止めになっていた国道292号は10時より通行開始となる予定です。」
神よ!
とりあえず急いで青葉山まで走ることに。おくやすが待っている。

@10:05 青葉山リフト乗り場


天狗山スキー場の前を通ると車できていたロード乗りたちが次々に出発していく。
みんな不安がりながらも麓まではきてたのね。

青葉山までくると、想像以上に雪が残ってない。
去年はもっと視界の3割位は白かったのに。
ここでようやくおくやすと合流。
とりあえず登攀ペースは俺はノロノロなので渋峠ホテルに12:00くらいまでに待ち合わせということで再出発。




どの風景が1番渋峠きた感に包まれるのだろうか?と考えた時に自分の中に浮かぶのがここの景色。この巨大な岩が転がる中を切り拓いてつくった道を走っているときのワクワク感。
このゴツゴツした岩場を超えて、視界の奥のほうでフェードアウトしている道を乗り越えると、一気に視界がひらけて終わりのないつづら折りが広がっている。

標高が上がるほどに低下する気温、強くなる西からの風。
序盤の脚の感じからは余裕で行けるだろうと思ってたのに、想像以上に低かった気温のせいで全然ペース上がらず積極的に休憩しながら登る。
最近一気に標高高いところに行くと肺が痛くなって喘息みたいな呼吸になってしまってぜんぜん追い込めない

なんとか白根山レストハウスのところまで。
池凍ってるじゃねぇかよ。しかも木は完璧に雪が枝にびっしりついて樹氷と化している。


万座ハイウェイとの合流点を上からを眺める
見事に西からの風が当たりやすいところだけ白くなっている


途中、異様に風が強い上に、風を遮るものがない箇所(下った先に分水嶺があるところ)にて、ガードレールのワイヤーと標識に見たことがない形で雪が付着していて昨日の吹雪の強さを思い知る。


ようやく雪の壁まで。
渋峠解禁から一週間しか経ってないのにこんなに低くなってるなんて。
本当に今年は雪不足だったのね。

このちょっと登ったところから雪の壁のところ見るの好き。
でも吹き抜ける風で極寒、そそくさと立ち去る。

そして国道最高標高地点に到着。
ちょっと石碑がいみわからないビジュアルになっていて笑う。
写真撮るの順番待ちしてる間にも尋常ではない寒さの風が、俺の剥き出しのふくらはぎを震え上がらせる!
もうやってられない!さっさと渋峠ホテルへ!
すこし走った先の気温表示、このとき0℃。


渋峠ホテルにてだいぶ前についてすでに昼飯を食べ終わっていたおくやすと合流。
おくやすはこのままあと80㎞くらい走って白馬までいくとのこと。
俺は下った先の渋温泉だけど、これはキツイ。

やにやら、写真とってる間に強風で自転車倒れて前輪が横ぶれたとのことで、さっさと降りて長野で直してもらうとのこと。


県境特有の写真を収めてお別れ。
去年の四国カルスト・高知-愛媛県境リスペクトで撮影指定もらった。
どちらかというと倒れそうなのは俺の方だけど。

おくやすを見送ってから渋峠ホテルでビールシチューをいただく。
飯食ったら冷えと疲労は回復するかなと思ってたのに、全然寒いままなのでチョコレートドリンクもついかで頂いて暖炉の前で体力を回復する。


いや、これは寒いでしょ。こんなの夏っぽいウェアじゃ死ぬでしょ。
真冬の景色でしょ。


@13:30 下りスタート
下るごとに少しずつ気温が上がっていくのを感じる。
実は渋峠を長野側に下るのは初めてだったんだけど、これはぜったい登りたくないね―
ひたすらダラダラと途方も無い長さの登りが続く割に、そこまで景色がいいわけじゃないし、これは心が折れる。
でも下りはひじょーに楽しい。交通量もゴールデンウィークとは思えない少なさでとても走りやすかった。
道中、志賀高原のホテル郡とその近くの池とかもあったんだけど、体力的に余裕なかったので全スルーで一気に渋温泉を目指す。

@15:00 渋温泉着
下りは速いものでさくっと下りきってしまった。あんなに死にそうになって登ってたのに。
今日はもう自転車でやることはおしまい。
あとは地獄谷野猿公苑で猿の眺めてからお宿にいって温泉、飯、温泉、酒と過ごします。
まずは案内所の前の地図で地獄谷の位置を…




気 に な る!!!!!

@15:30 地獄谷野猿公苑へ
ストリップ劇場への興味を振りきっていざ、温泉に浸かる猿のいる公苑に。
しかし、ここへの道のりがあまりにも険しかった。

荒れ果てた舗装路。
迷わず自転車を降りる激坂の連続。
車のすれ違えない細い道、でも絶え間なく行き来する乗用車。
道の幅員をロクに見ないで突撃するプリウス。

最悪の道路事情の中、ロードバイクを押して歩いた。
いいんだ、無理はしないで。


渋温泉街から3kmほどで到着。
しかしまぁ野生の猿がたまたま公苑の敷地内にいるだけらしいのでそこまで人の近くには寄ってこないだろうと思ってたら、めちゃくちゃ寄ってくる。
エサの要求とかはしてこないけど、人通りの多い通路の真ん中で平気で小猿に授乳させてたりする。ほぼほぼ大久野島のウサギレベルで人間への警戒心がない。
そして観光客も大久野島と同じくらい海外からの人が多い印象。
海外の人はこういう野生動物とふれあう観光好きなのか。


めちゃくちゃINT高そう

人間の直ぐ側で完全にだらけながら毛づくろいされてる。けどカメラを向けると流石に見られるね。
あと、なんの取材かわからないけど5Dに白レンズつけたおじさんの集団がいて、コザルが撮影会状態になっていた。




間欠泉と絵になるところにいる猿。

どうせすぐ飽きてもどってくるやろーと思ってたのに、閉園直前まで居座ってRX100のバッテリーが切れるまで写真とってしまった。
乳離したばかりのオス猿がメスをめぐって喧嘩してるのを見て社会性とはなんぞやとかを考させられたり、野生の猿の挙動がかなり堪能できた、これはまた来たい。

@17:30 宿にチェックイン
前々日に滑り込みで予約したの猿hostelさんに泊まる。
GWなのに素泊まり4300円とかで助かる。

荷物を置いて、お風呂に浸かって回復してからおでかけ。
コインラインドリーに洗濯物放り込んで、飯を食ったあとに回収して、温泉街をぶらぶらしながら地酒とおつまみを漁る。






いや渋温泉、夜の雰囲気が好きすぎてこれは再訪確定だ。
9箇所ある公衆浴場をめぐる人たちの下駄の音と、景観を損なわない作りの和風建築宿の雰囲気が良い。
いまいち自転車乗りで行きましたっていう話は聞かないのは、渋峠から下ってくるには時間的にちょっと持て余しちゃうからなんだろな。

一通り散策して宿に戻り、よっしゃ酒飲むかという段になって気づく。
まだ酒のんでないのに頭が痛いし鼻水もすごい…
後日、輪行で家に帰ってから風邪を引いた現実と退治することになるけど、そのまま気にせず酒飲みました。

―完―

距離:70kmくらい
反省:春のひるくらはレッグウォーマーは携行しよう